あなたは今、「農家で働いてみたいけど、未経験の自分でもやっていけるんだろうか?」と心配していませんか?
その気持ちはよく分かります。
私も過去に2年間、未経験者として根菜農家に就職したことがありました。
結論から言えば、未経験者でも農家で働くことはできます!
この記事では、「未経験だけど農家で働きたい人」が抱える「6つの疑問」について詳しく解説します。
きっとあなたの不安は解消されることでしょう。
ぜひ、じゅうぶん納得してから農家への就職を決めてほしいと思います。
いわゆる『独立する(経営する)』人向けの記事ではないことをご了承下さい。
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未経験者が農家や農業法人に就職できる?
農業の仕事をしたくても、「未経験だから」という理由で就職をためらっている人も多いと思います。
また、高校や大学で、農業とは全く関係ない学科を学んできた人でもできるのか、不安ですよね?
実際に農家で2年間働いていた私としては、「未経験でも農家で働くことは可能」と断言します。
多くの求人票(特にハローワーク)では、『経験不問』とか『学歴不問』と書いてある事が多いです。
でも、「最低限知っておきたいこと」や、「あった方が良い資格」などは確実にありますね。
次の章で解説しますので、最後までチェックして下さいね。
農家に就職したい未経験者へ、6つの疑問を解説します!
農家で働きたい未経験者が特に気になるのは、次の6つだと思います。
- 必要な学歴と経歴
- 農業の種類(生産物)
- 必要な資格・能力
- 農業への不適正
- 年間休日日数と労働時間
- 給料
これらは、農家へ応募する前に知っておいてほしいことなので、一つずつ解説していきますね。
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Q1:農家の求人は高卒・大卒どっちが有利?中途採用はある?
A1:多くの農家は高卒も大卒も関係ないが、一部企業は高専以上も。中途採用は多い。
中小規模の農業法人や、家族経営での農家に就職する場合は、高卒でも大卒でも「殆ど関係ない」といえます。
逆に言えば、「大卒だから給料が高い、雇われやすい」ということもないので、そこは期待しない方が良いですね。
ただ、一部の企業では高卒を募集していないこともあります。
例えば、「イオンアグリ創造株式会社(イオングループ)」の求人を見てみると、『大卒・院卒・短大・農大・専門・高専卒』と書かれています。
こちらの募集は「総合職」であり、将来的に幹部社員になることを想定していると思いますので、少し特殊かもしれません。
単純な「農作業員」であれば、ハローワークでも数多く募集してますし、高卒でも応募できます。
農家・農業法人の採用は、中途採用(転職)も多いです。未経験者でももちろん応募可能です。
ただ、中途の場合は「志望動機」が大事になるでしょう。
Q2:未経験者が扱える農業生産物に決まりはある?
A2:農業で扱う種類(生産物)は多岐にわたり、求人票が出れば何でも応募できます。
それでは、実際にどのような農業の種類があるのか挙げてみますね。
分類は明確に定義されているわけではなく、「だいたいの目安」として考えて下さい。
- 根菜(ニンジン、ダイコン、ゴボウ など)
- 葉野菜(白菜、レタス、ホウレンソウ など)
- 穀物(米、小麦、トウモロコシ など)
- 果物(リンゴ、ミカン、ブドウ など)
- 畜産(牛、豚、羊 など)
- 花卉(チューリップ、菊、バラ など)
私は根菜農家に勤めましたが、扱う対象が変われば仕事内容もまったく変わります。
少しでも「自分が好きなもの」「興味があるもの」を選んだ方が良いでしょう。
「米(稲作)」に関しては、米だけを専業でやっている農家は少ないようで、他の作物も同時に栽培しているケースが多いですね。
Q3:農家への就職に必要な資格・能力は?
A3:普通自動車運転免許(MT)は必須。大型特殊免許があれば有利です。
実は、私が農家に就職したあとで一番困ったのが、この運転免許なんです。
免許証は持っていたのですが、「AT限定」だったので、あとから「限定解除(※MT免許取得)」のために自動車学校へ通うハメになりました。
ですから、農家に就職したい人は「普通自動車運転免許(MT)」を先に取得しておくべきですね。
他に、持っておけば有利な資格や能力は以下の3つです。
- パソコンの基本操作ができること(キー打ち込み、Excel、Word、WEB作成)
- 大型特殊免許(トラクター、大型トラックなどの運転)
- 毒物劇物取扱責任者(毒物劇物に指定された農薬の販売・所有)
農薬販売などは雇い主が行うと思うので資格が無くても全く問題無いですが、パソコン操作はできた方が良いし、大型特殊免許があれば非常に有利だと思います。
他は、必要があれば資格を取るように雇い主から命令される可能性もあれば、各種セミナーへの参加機会も多いと思います。
Q4:農家への就職をやめた方がいい人は?
A4:極端に体力が無い人や、関節系の持病がある人は避けた方が無難です。
農業の仕事は、ある程度は「経験」でカバーできることが多いと思います。
しかし、農業は多くの人がイメージするとおり、「体力」を非常に使う仕事なんです。
また、「同じ姿勢を長時間続ける」ことも特徴です。
「根菜」なら腰を折り続ける姿勢になりますし、「木に成る果物」なら首を上げ続ける姿勢になります。
これが一日8時間近く続くことになりますから、体力に自信がない人は普段から筋トレでもしておいた方が良いでしょう。
体力のほか、身体的な持病がある人は続けるのが難しいかもしれません。
私は「関節リウマチ」を持っているのですが、始めの1年間は殆ど支障なかったものの、2年目からかなり影響が出始め、症状が悪化してしまいました。
重い野菜や果物を収穫するのに手を酷使しますので、特に関節系の持病があるなら避けた方が無難です。
隠しておくと病院に通う時の休暇が取りにくいし(※土曜日の出勤は当たり前なので)、何より信用に関わります。
Q5:農家の年間休日日数は?1日の労働時間は?
A5:年間休日は70~80日程度、1日の労働時間は8~10時間です。
農家で働くとき、「休日はちゃんとあるのか」「1日何時間働くのか」は気になると思います。
扱う生産物や職種にもよりますが、一般的な農作業員であれば、「休みは日曜日だけ」と考えておいて下さい。
私が働いていた農家では、7月と8月は日曜日も出勤したことがありました(※連続10日以上出勤になることも)。
年間休日日数でいえば、「70~80日程度」です。
ホワイトカラーの会社員が年間120~130日くらい休んでいることを考えると、かなり少ないことが分かります。
また、1日の労働時間は、「夏季は10時間前後、冬季は7時間前後」という農家が多いと思います。
農作物によっては、冬季は全て休業という農家もありますね。
農業従事者は、労働基準法が一部だけ「適用除外」となります
ここで注意してほしいのが、労働基準法のことです。
農業の場合、労働基準法の「一部が適用除外」となるんです。
除外になる項目は、以下の5項目です。
- 労働時間
- 休憩
- 休日
- 割増賃金
- 年少者の特例
全国農業会議所「農業雇用改善推進事業ホームページ」に労働基準法のことが詳しく記載されていますので、目を通してみて下さい。
年間休日や休憩時間が一般的な企業より少なくても、文句は言えないということです。
そもそも、農業は「生き物」を扱う職業ですから、覚悟を持って就職した方が良いですね。
Q6:農家で働くのは時給?月給?年収はどれくらい?
A6:仕事内容や地域によって違うが、農家の多くは時給制で、最低賃金も覚悟を。
特殊な資格や経験がなければ、農家で雇われる場合は時給制が多いです。
また、試用期間のうちは最低賃金である可能性も高いです。
あくまでも参考程度にしてほしいですが、私の場合は年収(天引前)で160~170万円前後でした。
しかもこれは、「年間休日70日前後」での給与です。
正直なところ、雇われ農業だけで生活していくのは厳しいと言わざるを得ません。
しかし、Q1でも説明したように、大企業での正社員であれば、月収20万円前後もらえる求人もあります。
ハローワークだけでなく、求人サイトや転職エージェントも活用してみて下さいね。
まとめ
最後に、未経験者が農家に就職するための疑問点をまとめておきましょう。
- 一般的な農作業員なら、高卒でも大卒でも雇用条件は殆ど変わらない
- 農業生産物は自分が興味がある物や好きな物を選ぼう
- 普通自動車運転免許(MT)は必須、差を付けたいなら大型特殊免許も取ろう
- 関節系の持病がある人は良く考えて応募しよう
- 農業に就職希望の人は、労働基準法のことを知っておこう
- 給与は最低賃金も覚悟しよう
いかがでしたでしょうか?
未経験者でも農家で働くことはできますから、気になる求人があれば積極的に応募してみて下さいね!
最後まで読んでいただき、有難うございいました^^